文章の最後に付ける句点「。」が最近気になる。それは、LINEのやりとりで、「。」を付けると怒っているようで怖いとか、威圧感があるといったニュースを見たからではない。その逆で、SNSやメッセージではない文であっても句点を付けない人が多くいるからである。 そもそも句点には、その文が終わったことを表す役割がある。インフォーマルなやりとりや場面ならつゆ知らず、仕事で関わる相手や業務に関する場面においても句点がないというのは、どうも締まりが悪くて気になるのである。 同様に「改行」も気になる。文が終わっていないにもかかわらず、途中で改行されている文章が散見される。改行するのは、意味のまとまりごとに改行した方が読み手にとって分かりやすいと考えているからなのか、それとも書き手にとって表現しやすいからなのかは分からない。しかし、改行が多く句点がない文章、例えば論理的な内容や事実文を読む場合、少なくても私にとっては読みづらさを感じるのである。 昔から、言語は時代によって変化するものであり、今の時代の使用方法が必ずしも間違いとは言えないという意見を一定程度理解はしてきた。がしかし、この句点がないことと必要以上の改行は、その時代の変化に相当すると言えるのだろうか。 そんなことが気になるのは、日本語教師という職業のせいなのか、それとも加齢で新しいものを受け入れにくくなってしまったせいなのか、句点と改行を眺めながら最近そんなことを思うようになった。 とはいえ、やはり気になるのである。 (HISAE日本語学校校長・苫小牧)