アイヌ民族文化財団(札幌市、常本照樹理事長)は4日、同民族の伝統楽器ムックリをはじめ、世界各地の口琴の魅力を紹介するイベント「ウポポイ・ミュージックフェスティバル2025 ムックリざんまい」を開幕した。初日はウポポイPRアンバサダーを務める俳優の森崎博之さん(53)を迎えて体験会などを催し、来場者を楽しませた。
体験会には、約100人が参加。森崎さんはウポポイ伝承課の職員秋山里架さん(39)と共に美しい音色を奏で、「手軽に携帯できて独特の音色がすてき」とムックリの魅力を語った。口琴については「『こうきん』と聞くと、コロナ禍を経た私たちは消毒の抗菌を思い浮かべてしまうが、口の琴と書く口琴の良さを皆さんと共有したい」と呼び掛けた。「世界各地に口琴奏者がいることをウポポイで知った。このフェスが北海道の冬を代表する催しになることを願っている」とも語った。
イベントは11日まで。口琴の演奏、制作体験の場を用意している。ウポポイの村木美幸運営本部長は「多様で特徴的な口琴の世界を紹介できて光栄。演奏体験などを通し、視野を広げてもらえたら」と期待する。体験学習館別館3には、国際口琴協会理事の直川礼緒さんが61の国や地域から集めた66種類の口琴も展示しており、直川さんは「ムックリのきょうだいのような楽器の違いや共通点など、面白さを伝えていけたら」と話している。
ムックリの腕前を披露する森崎さん(右)と職員の秋山さん