お正月と言えば「箱根駅伝」です。青山学院大学が連覇しましたが、最近11年で8回優勝しており、箱根駅伝での同校の強さには驚くばかりです。
原晋監督は今年初めて寮母でもある奥さまを胴上げに呼んでいました。また一番テレビに映る時間が長い9区の給水に「裏方で一番貢献していた者を選ぶよう」指示していたことからも、選手と裏方を含めたチーム力こそが強さの源であると、原監督自身が一番感じているのだと思いました。
チームを引っ張るのは力のあるエースですが、今の箱根駅伝は1区間でも遅い選手がいると一気に順位が下がるほどの群雄割拠な状況です。爆発的なスピードがなくともいつも安定した走りができる選手も必要ですし、裏方さんを含めたチームの総合力を把握し、それを本番で発揮させるマネジメント力など「メソッド」を確立させた原監督の功績がたたえられます。
さて、そんな原監督から「近々後任に譲る時期が来る」と話がありました。駅伝は選手が汗の染み込んだたすきをつないでいく競技ですが、先頭から一定時間以上遅れた場合の繰り上げスタートに使うたすきは関東学生連合が毎年洗って用意するそうです。一般社会でも伝統という「たすき」があります。このご時世、洗ってブラッシュアップしていくのか、新しく作り直していくのか、意見が分かれるところでしょうが、引き継がれた伝統を胸に「今求められることは何か」を謙虚に模索していけるかが、評価され生き残っていくのに必要なのだと思います。
(苫小牧信用金庫人事部長)