苫小牧市のまちづくりをテーマに、金澤俊市長と市内の企業経営者らが意見を交わすパネルディスカッションが12日、表町のホテルで開かれた。4人のパネリストは会場からの発言も受けながら、中心市街地の活性化や交通インフラの整備、子どもや高齢者の集いの場づくりについて語り合った。
苫小牧地方法人会女性部会(中田博子部会長)の連続講座「女活セミナー」の一環で、苫小牧タウンマネジメントとの共同事業。約40人が会場に集まった。
JR苫小牧駅前の再整備について、金澤市長は子育て支援施設や科学センター機能、キャリア教育機能の集約といった市の構想を紹介。同団体の藤淳一代表は「『何をやっても活気は戻らない』と諦めている人もいるが、それでは何も変わらない」と語り、市民も駅前の在り方を考えて声を上げる必要性を訴えた。
西部地区に住む来場者は、景観が良く自然豊かな住環境に満足している一方、食品スーパーの相次ぐ撤退で自家用車を持たない高齢者が困っていることを指摘。金澤市長は乗り合いタクシーや利用者の予約に応じて運行するデマンドバスの検討と合わせ、市社会福祉協議会が勇払地区で行っているボランティアによる移送サービスの有用性を説明した。藤代表は「複数の食品スーパーに共同で買い物バスを運行してもらうよう、市側から働き掛けては」と独自の提案を示した。
中田部会長は「有意義な意見がたくさん出た。解決に向けてさらに話し合いを深められるような場を継続してつくりたい」と語った。