安平町教育委員会は、中学校の部活動の地域移行を進めている。2025年度末までに、体育会系、文化系とも「クラブ化」し、町内の総合型地域スポーツクラブ「NPO法人アビースポーツクラブ」を中心として地域を受け皿にする方針。体育会系の地域移行は進んでおり、文化系は活動場所の確保など課題を解決してからとなる。9月27日と2日に早来地区と追分地区で説明会を開き、保護者に状況を伝えた。
部活動の地域移行では、少子化による部員減少の中、1校では廃部となるが、複数校の生徒で一つのチームをつくることなどでスポーツや文化活動を続けられるようになること、教職員の負担が減少されることなどが期待されている。
町教委では部員数のほか、指導者、活動場所、活動費などの確保、部員送迎の可否などクラブ化の要件を満たした部を随時、地域移行させている。
23年度当初の部活動は早来学園に7部、追分中学校に6部の計13部あった。このうち、24年3月までに同学園と同中学校の陸上部、24年4月以降に同学園の野球部とバレーボール部、同中学校の剣道部、バレーボール部、野球部の計7部をクラブ化し、地域移行した。19日にはソフトテニス部がクラブ化を予定している。
残る同学園の卓球部とソフトテニス部、吹奏楽部、美術部、同中学校の美術部の5部も移行を検討中。ただ、事務局員や指導者の人材不足、活動場所の確保、部員の送迎などで課題を抱え、クラブ化の難しい部もあるという。
9月27日に早来学園で開いた説明会では、地域移行までの流れやクラブ化への要件、進捗(しんちょく)状況などを説明した。保護者からは「(地域移行の)情報が少なく、親は何をすればいいのか分からない」「吹奏楽部の場合、部員の送迎や楽器の移動を誰がどのように行うのか」などと質問が相次いだ。町教委は「クラブ化していない部活の状況はそれぞれ違う。部ごとに協議していきたい」としている。