厚真町は9日、新たに建設を予定する役場庁舎や文化交流施設、外構設備の整備スケジュールを変更したことを明らかにした。資材価格の高騰などを背景に事業費が増加する中、事業受託者選考委員会で事業費が割高と指摘されたためで、新庁舎の完成は4月に示していた日程から約7カ月遅れの2027年6月ごろとした。「事業費の削減に向けて検討と精査が必要」としている。
同日の町議会新庁舎周辺等整備調査検討特別委員会(吉岡茂樹委員長)で報告した。
新庁舎の完成は、4月の同特別委員会では26年11月までとし、事業費も示した。その後、実施設計、施工を行う事業受託者を選ぶ際、事業受託者選考委員会の委員から「他自治体の庁舎整備事業費の単価と比較しても(事業費が)高い」と指摘があり、設計を精査するため日程を見直した。
変更後の新庁舎の竣工(しゅんこう)は27年6月ごろ。今年10月ごろまでに設計内容を精査し、25年3月までに実施設計業者を選定する。25年度に実施設計を行い、26年度当初に着工する。隣接する文化交流施設は、現庁舎の取り扱い方針を協議した上で26年度当初に実施設計を行い、27年度着工、28年度竣工とした。広場や公園など外構すべての竣工は34年度の予定。
4月に示した設計費や解体費を除いた新庁舎や周辺設備の建設費(税抜き)は、新庁舎が29億7700万円、文化交流施設が26億7500万円、広場や公園など外構が15億6200万円。23年3月時より新庁舎で9億700万円、文化交流施設で10億3300万円、外構で8億1700万円増加している。
同日の特別委員会では複数の町議から、事業費の削減などに関する質問が相次いだ。町は基本設計を受託した事業者と事業費の圧縮を検討中で、宮坂尚市朗町長は「町民の皆さんに丁寧に(変更内容を)説明し、十分納得していただけるようなコスト削減の努力、合意形成を大事にしたい」とし「庁舎を町民のシンボルとし、災害時に機能を果たせるようにしたい」と話した。