既存コンテンツの活用 蒲原(かんばら) 亮平(りょうへい)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年8月6日
既存コンテンツの活用
蒲原(かんばら) 亮平(りょうへい)

  近年旅人の嗜好(しこう)が変化をしています。世界的な傾向でもありますが、これまでは物質的価値を求め、より良い商品をたくさんお手頃価格で購入できることが望まれました。かつ、飲食はおなかを十分に満たせるものが好まれました。

   白老町の虎杖浜、竹浦両地域には、観光客の大きな収容施設があるわけではなく、大規模な製造が可能な加工場を有するわけでもないので、集客の限界は見えておりました。

   また、仮に来客数が限界を超した場合、十分なサービスを提供できず、お客さま満足度が下がり、再来店率を下げてしまう恐れがあります。

   しかし、昨今は質的価値、心の豊かさを求める観光スタイルへの変化が顕著です。特に長期滞在し、その土地の歴史や文化、普段の暮らしを知ることや体験することが注目されています。受け入れる側には新たに何かをつくり出す必要はなく、地域のありのままをコーディネートする力と仕組みがあれば、対応できることであり、それこそが、これからの地方集落が進むべき道であると考えます。

   ないものはない、と開き直る戦略もありますが、むしろ、余計なものは何もないと表現し、既存のコンテンツに何も足さず、引かず、ありのままを伝えることが、質的価値を求める客層に感動を提供しやすいのではと考えます。

  (蒲原水産社長・白老)

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