【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)の選挙戦撤退表明から一夜明けた22日、バイデン氏に後継として推薦を受けたハリス副大統領(59)に支持を一本化する動きが民主党内で進んだ。党指名獲得が有力視されるハリス氏は、早期に流れを確実にするため重鎮らの支持固めに奔走。11月の大統領選でトランプ前大統領(78)と戦う態勢の構築を急いでいる。
ハリス氏は22日、バイデン氏の撤退表明後、初めて公の場に登場。ホワイトハウスの行事で演説し「大統領の過去3年間の功績は比類のないものだ」と改めてバイデン氏をたたえた。ハリス氏は近く上下両院幹部と会談し、直接支持を仰ぐ方針だ。
党に多大な影響力を持ち、前日には態度を留保していたペロシ元下院議長は22日、「彼女は11月に私たちを勝利に導いてくれる」とハリス氏支持に回った。議会下院トップのジェフリーズ院内総務も「ハリス氏は地域社会や党下院議員団を興奮させてきたし、国を興奮させている」と推薦を示唆した。
出馬検討が伝えられた元民主党のマンチン上院議員は22日、これを否定。大統領候補に取り沙汰されたミシガン州のウィットマー知事や、イリノイ州のプリツカー知事ら潜在的なライバルの推薦も取り付け、現時点でハリス氏に有力な対抗馬の動きは出ていない。
献金を控えていた大口支援者もハリス氏支持に動きだしている。政治専門紙「ポリティコ」によると、撤退表明後の24時間で、主要献金者から1億5000万ドル(約235億円)の資金が舞い込んだという。