白老町社台のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)は、町内在住の外国人が困り事を抱えた時に支援するネットワーク「スマイル・コネクト・白老(SCS)」を発足させ、21日に町中央公民館で開く催事「チャムチャム・ザ・ワールド」から本格始動する。外国人と町民が海外料理の試食や防災学習を通じて交流する場で、田村代表は「互いに理解を深める時間になれば」と期待している。
SCSは、町内の外国人が日本文化や公的機関での手続きで戸惑ったり困ったりした時にサポートする。5月に発足し、3カ国で町内外国人の8割強を占めるベトナム、インドネシア、中国と事務局の4局で構成した。ベトナム出身の団体職員ヌウエン・ティ・ヒエンさん(38)、インドネシア出身の介護職員ドイ・ヌルヒダヤットさん(29)、中国黒竜江省出身の団体職員鄭延雪さん(35)がそれぞれ代表局員を務め、事務局を田村代表(53)が担う。
「チャムチャム」はアイヌ語の「もぐもぐ食べる」を意味する「チャムセチャムセ」を縮めた造語。21日は、各国ブースでの通訳を置いての防災講話と、インドネシアや中国料理の試食などを楽しむ。参加無料で、午前10時から午後3時まで。
これを皮切りに、外国人と町民が声を掛け合う関係づくりのための交流イベントや、イベントを通じて知り得た困り事を専門機関につなぐ活動を進める。電話相談の実施も検討しており、苫小牧市の北洋大学(奥村訓代学長)や北海道多文化共生NET(五十嵐啓子代表理事)と連携することで、外国人の不安を払拭(ふっしょく)できる人材の育成を目指す。
田村代表は「SCSの活動が、誰もが過ごしやすいまち、支え合えるまちへの一助になれば」と意欲を語る。ヒエンさんは「皆で分かち合い、助け合い、笑いあふれるまちになれば」とネットワークの名称「スマイル・コネクト」に込めた思いを語った。
問い合わせはウテカンパ 携帯電話080(1874)3624、アドレスutekanpa@gmail.com。