蝦夷梅雨と梅雨 杉本(すぎもと) 大志(まさし)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年7月2日
蝦夷梅雨と梅雨
杉本(すぎもと) 大志(まさし)

 本州での梅雨入り宣言からしばらくたち、台風シーズンの時期が近づいてきましたね。苫小牧市に戻ってきてから、毎年6月には「そういえば5月の終わりからちょっと寒くなって雨が降るんだっけな」と思い出していました。学生時代、学校へ通うまでの道のりが霧に覆われていたり、いつやむか分からない雨がしとしと降っていたことをさらに思い出したりして、リラ冷えという言葉が頭に浮かんでいました。

 大学院を修了した足で、研究者として香川県に向かうことが決まっていた8年前、本州の梅雨をよく知らなかった僕は、「とにかく晴れないのか」「かなり雨が降るのか」と若干怖い想像を持っていました。ところが赴任先の瀬戸内に住んでみると、意外にも北海道に比べて雨が降らず、かえって北海道で普通に降るような雨が警報級レベルになることに驚きました。そしてまた、リラ冷えという寒さに慣れていた自分からすると、「とにかく蒸し暑い」と感じる日々でした。蒸し暑さに包まれた夜、心地よい北海道の冷え込みを懐かしく思ったものです。

 2022年に北海道に戻ってしばらくすると、リラ冷えのような時期はなくなり、蝦夷梅雨のような雨の降り方や霧が濃い時期も昔に比べて極めて少なくなっていたので驚きました。これまで寒さとともに風情を感じたあのリラ冷えの季節が、ほとんど過去のものとなっていたのです。静かに降り続ける雨音に耳を傾け、霧の中に包まれた風景を思い描いていると、かつての季節の移ろいを懐かしく感じます。

 (苫小牧工業高等専門学校准教授)

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