苫小牧沼ノ端中学校(熊谷誠校長)は10日、「生徒の主体的、対話的な学び」を強化する校内研修会を校内で開いた。各校の教育活動を支援、指導する市教育委員会の指導主事4人による4教科の授業を公開し、同校教員のほか、市内の小中学校から約60人の教育関係者が参加して視察した。
教員の授業力を向上させ、生徒の学びをより深めるのが狙い。社会、理科、数学、道徳の授業を1、2年生の教室で公開した。
数学は、連立方程式の授業を2年1組で行った。手代木章宏指導主事は、問題を解く時間を決めて生徒に出題。正答した生徒は級友に解き方を解説して回るようにし、生徒同士で学習する授業を進めた。解答に行き詰まった生徒には、事前に用意していた複数のヒント項目を手代木指導主事がタブレットで示し、生徒が詳細を見て最後まで挑戦できるようにするなど、ICT(情報通信技術)の効果的な活用も伝授した。
理科は、水溶液の性質について1年2組で実施した。神下哲朗指導主事は生徒たちに既習事項を確認させた後、後日行う実験について、結果の予想と根拠を級友と話し合い、ワークシートを作成するまでの授業を展開した。
授業後、参加者からは「生徒同士が対話で考えを広げたり、深めたりしているのが印象的だった」「生徒たちが学んだことや知っていることを、吸収したり仲間に伝えたりしながら理解を深めているのが分かった」などの感想が聞かれた。
研修内容は今後、同校のほか、市内の各小中学校で授業改善に役立てられる。