口や喉の機能訓練などを行う摂食嚥下(えんげ)リハビリテーションを継続することで、要介護者が自分の口で食べる力(経口摂取機能)を維持、改善できることが分かったと、東京科学大大学院などの研究グループが発表した。
研究グループは、自宅などで生活する要介護者で、歯科訪問診療による同リハビリを受けた323人を対象に、経口摂取状況の推移を最長12カ月間追跡調査した。
その結果、追跡できた97人のうち初診時に全く経口摂取をしていなかった人は27・9%だったが、飲み込む機能を調べる内視鏡検査で経口摂取が全く不可能と判断されたのは6・2%で、経口摂取状況と実際の状態には差があった。また、追跡した人のうち51%に経口摂取状況の改善が認められた。
研究グループは「『おいしいものを食べたい』という気持ちを諦める必要はない。リハビリを提供する適切な体制整備が求められる」としている。
(メディカルトリビューン=時事)