介護人材

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  • 2024年6月24日
介護人材

  高齢者福祉に欠かせない存在の介護人材。団塊の世代の約800万人全員が75歳以上の後期高齢者になる2025年度には、約38万人が不足すると試算され、養成は大きな課題となっている。

   その中で、教育と医療福祉の両事業を手掛ける学研ホールディングスは、30年9月までに国内で運営する介護施設数を1000拠点に増やし、施設増に合わせ、介護職員を年間800人ペースで自社養成するという。教える技術は教育事業で備えているので、志願者さえ確保できれば介護職員の養成は実現しそう。  

   白老町では22年12月、町立介護老人保健施設で職員が入所者に不必要な身体拘束をしていたことが判明した。同時期、留萌管内増毛町の高齢者施設では職員が入居者の体に消毒液を吹き掛けたこと、オホーツク管内西興部村の同施設では職員が入所者の全裸や下着姿を撮影していたことが明らかになった。人手不足による多忙が背景にあったとしても、自分が同じ目に遭ったらと思うと背筋が凍る。

   介護人材は心身が不調になった高齢者の頼みの綱。家族にとっては人間の尊厳を重んじ、安全安心な福祉サービスを提供してくれる存在。介護する相手を「未来の自分」と思い、どんな時も心ある対応ができる人であることを願う。(林)

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