これからの一年、前向きに 高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年6月20日
これからの一年、前向きに 高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

  春の青い空の下、真っ赤な鳥居をくぐった瞬間、携帯電話が鳴った。

   2024(令和6)年5月1日、水曜日、午前9時58分。樽前神社境内でのこと。苫小牧民報社からの連絡であった。要件はコラム「ゆのみ」コーナーの執筆依頼だった。

   すぐに良い返事をすることができず、「考えさせてもらいます」と言って電話を切った。2度目の電話で、「前向きに考えております。書かせていただきます」と丁寧に返事をした。内心、どん、と心臓の重さを感じるくらい動揺していた。一年は長いので、時間が経過するほど、書けなくなるかもしれない、やめたくなるかもしれないと不安が押し寄せてきた。

   そんな中で、6月から「ゆのみ」を執筆する9人が顔写真とともに紙面で紹介された。私の名前と顔写真も載ったので、知人から「楽しみにしているよ」と言われた。もう書くしかないと覚悟ができた。はるか昔に、下手ながらも短い随筆を書いたことがある。その時と同じように、自分の経験や思いを文字でつづり、組み立てていくことになるのだろう。久しぶりに書く楽しみを思い出している。「だいじょうぶ」と自分に言い聞かせながら、前向きに執筆していくことを決意した。

   私の人生の中で予想もしていなかった執筆依頼である。とにかく一生懸命に書くつもりである。一年後、青い春色の空の下、書き終えた安堵の心で真っ赤な鳥居をくぐりたい。

  (みらいづくりハマ遊の友代表・苫小牧)

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