むかわ町は、災害発生時を想定し、被害を最小にするまちづくりを推進するための「町事前復興計画」について、アンケートに回答するよう町民や町内の通勤、通学者に協力を求めている。締め切りは30日で、町のホームページなどに小学生から高校生までと一般向けに回答フォームを設けた。町は回答や意見を参考に素案を作成し、パブリックコメント(意見公募)を実施後、同計画を年度内に策定する。
同計画は、日本海溝・千島海溝周辺で巨大地震が発生した場合の復興やまちづくりを、事前に検討し、被災前にできることを位置付けるために策定する。基本的な考え方やイメージをあらかじめつくることで災害後、復興作業が素早く進み、事業の再開や生活再建が可能になるとしている。
想定される被害などは町ホームページに資料を載せており、町のユーチューブチャンネルでも同計画の必要性や策定の意義を説明している。鵡川地区が津波に襲来されたイメージをCG(コンピューターグラフィックス)による映像にし、市街地の大部分が浸水し、がれきが発生する様子を分かりやすく伝えている。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合、震度は5弱から5強と2018年9月の胆振東部地震より小さいが、最大津波高は日本海溝モデルで12メートル、津波到達時間は35分と想定する。人的被害(冬、深夜を想定した最大値)は、津波発生後に早期避難をする人の割合が少ない場合、死者数は津波で2300人、負傷者は40人、避難者総数は3800に上るとした。
一般向けのアンケートでは、津波からの避難や被災後おおむね1年間をめどとし、生活や、あらかじめ明らかになってほしい復興方針についてなど6問を設けた。自由に記入できる欄もあり、回答者の思いを書くことができる。子ども向けは町の好きな所や大切にしたいこと、津波が来る前にした方が良いと思うことなどを設問とした。
町は「起きていない災害を想定することは難しいが、一緒に考え、意見を伝えてほしい」と呼び掛けている。
問い合わせは町情報防災対策室 電話0145(42)2423。