デフ五輪

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  • 2024年6月11日
デフ五輪

  デフリンピック(デフ五輪)という競技を聞いたことがあるだろうか。恥ずかしながら、記者はごく最近になって知った。デフとは英語で「耳が聞こえない」という意味から、ろうあ者の五輪のことだ。しかも、その日本大会(夏季)が来年、東京を中心に初めて開催される。

   デフ五輪は、健常者が競う五輪と同じ夏季と冬季大会があり、4年に一度だ。その歴史は長く、1924年の第1回大会はフランス・パリで、来年の日本開催が100周年の記念大会になる。どんな競技があるのか。陸上からバドミントン、バスケット、サッカー、ゴルフなど21競技で、これもほぼ五輪と同じだ。

   基本的なルールも五輪と一緒だが、例えば陸上のスタートは「光」で知らせている。サッカーなどの審判は旗を挙げるなど選手たちの目に訴える工夫が随所にされている。「音」がない中で集中力を研ぎ済まし、競技に挑むことの大変さとその難しさは感覚として分かる。

   全日本ろうあ連盟の調査によると、障害者の祭典・パラリンピックの認知度が90%以上あるのに対し、デフ五輪はわずか11%。日本大会は来年11月15日が開幕。70~80カ国から3000人のアスリートが集う。大会の成功へ情報発信する立場からも応援をしていきたい。(昭)

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