【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領は31日、不倫口止め料記録改ざん事件で有罪評決を言い渡されたことを受け、「この詐欺について控訴する」と表明した。ニューヨーク市中心部にあるトランプタワーで報道陣を前に演説した。
一貫して無実を訴えるトランプ氏は、違法行為を改めて否定。政治的動機に基づく「不正な裁判だ」と繰り返し、判事を「悪魔」と呼ぶなど憤りをあらわにした。演説は30分超続いたが、記者からの質問は受け付けなかった。
トランプ氏は控訴に伴い、弁護士費用がかさむことになる。一方で、同氏陣営は31日、有罪評決から7時間足らずで少額献金者から計3480万ドル(約55億円)が集まったと発表した。トランプ氏は評決直後、有罪を逆手に取り「私は政治的囚人だ」とアピールし、献金を募っていた。
ニューヨーク州地裁の陪審は30日、業務記録を改ざんした34件の罪状全てでトランプ氏に有罪評決を下した。2016年大統領選に不利な情報を隠そうとして、不倫口止め料を「弁護士費用」と偽ったと認定した。
量刑は7月11日に宣告される。禁錮刑や自宅軟禁などが科される可能性があるが、有罪でも11月の大統領選には出馬でき、トランプ氏は控訴中の刑執行停止を求めることができる。