厚真町で胆振東部地震の被災体験を語る地元高校生の被災地ガイド「さざんか」と、札幌市で防災や被災地支援活動を行う高校生ボランティア団体「BLOSSOM(ブロッサム)」は10日、町総合福祉センターで交流会を開いた。東日本大震災発生から13年。両団体の5人は被災地訪問の報告をし合ったほか、避難所運営体験を共にし、改めて防災の重要性を確認した。
さざんかのメンバーが2023年9月、町内でブロッサムのメンバーのガイドをした縁で、共に防災を学ぼうと交流会を企画した。
この日は、避難所で起きた問題の解決策を考えながら学ぶワークショップ型防災教育ツール「さすけなぶる」を体験。東日本大震災後に福島県郡山市の大規模避難所であった事例を基に「避難所に両親が不在で、子どもだけで食事をする世帯がある」などの課題に対する対応策を発表し合った。
両団体はそれぞれの組織の概要や活動の近況を伝えたほか、さざんかは23年8月に宮城県の気仙沼、石巻、東松島の各市を訪問した際に被災者から聞いた話を報告。ブロッサムも同年3月に東松島や石巻市などを訪問しており、情報や意見交換をした。
さざんかのメンバーで厚真高校2年の加藤迅さん(17)は「東日本大震災の被災地は報道で知るのと全く違った。実際に見ることが大事と改めて思った」と語った。ブロッサムのメンバーで札幌開成中等教育学校5年(高校2年相当)の山岸駿介さん(17)は「被災者の言葉から、自分の命を最優先に守る考えを教えられた。後輩たちにも被災地で学び続けてほしい」と話した。