安平町議会定例会が7日に開会し、及川秀一郎町長が2024年度町政執行方針演説を行った。新年度の重要政策として、魅力的な子育て・教育の推進と人口確保対策の展開、早来公民館の大規模改修とスポーツ交流の推進、脱炭素社会の実現に向けたゼロカーボン(脱炭素)の推進を挙げ「住民サービスの維持確保と持続可能な財政運営を図りながら、前例にとらわれずに時代のニーズを捉え、安平町をより高いステージへ引き上げる」と決意を述べた。
子育て・教育の推進では、教育環境面などで町に魅力を感じる人が増え、22年から2年連続で人口が社会増となったことに触れ「引き続き、子どもに優しいまちづくり事業(CFCI)の理念を踏まえた子育て、教育環境の魅力化を進めていく」と力を込めた。
千歳市に進出する次世代半導体製造ラピダス(東京)に関し、「機会を逃さず、町の強みである子育て、教育を訴求力にして人口確保につなげる取り組みを検討する」と人口増への期待感を示した。
早来町民センター(早来公民館)は、施設に耐震化を施し、災害時の避難所や合宿施設として機能する複合施設として整備するとし「町内に経済効果が波及する合宿の誘致や、スポーツを通じた交流人口、関係人口の拡大に取り組む」と意欲を述べた。
第2次町総合計画に基づく主要施策では、入学者の減少が続く追分高校について「予断を許さない状況が続いている」と危機感を持ち、「進学率や就職率の高さをPRし、地域一体となって入学希望者の確保に取り組んでいく」とした。
ゼロカーボンシティの実現には、町ゼロカーボンシティ推進協議会の議論を踏まえ「地球温暖化対策実行計画の区域施策編の策定、地域マイクログリッドの詳細設計に着手する」との姿勢を示した。
公共交通では、JR室蘭線の利用促進策、循環バスの自由乗降区間の拡充、デマンドバスの停留所増設などを展開し、「ライドシェア(一般ドライバーが自家用車で乗客を有償で運ぶサービス)など新たな仕組みも視野に入れ、持続可能な公共交通対策に臨む」との方針を述べた。
定例会の会期は13日まで(14日は予備日)。