うるう年 佐瀬(させ)英明(ひであき)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年2月29日
うるう年
佐瀬(させ)英明(ひであき)

  今年は2月が1日長い「うるう年」です。例外はありますが4年に1度、オリンピックが開催される年でもあります。

   普段はあまり意識しませんが、私が今の会社に入社した1980(昭和55)年、この年は「うるう年」がいつなのか、常に頭の片隅に置かなければならない年になりました。

   入社後、初めて担当した仕事が定期預金係でした。当時は、少しずつ電算化(コンピューターの導入)が進みだした時期ですが、定期預金の中途解約利息の計算などは手作業で行っており、そろばんで契約日から解約日までの日数を計算し、電卓をたたいて利息額を算出する、そういう時代でした。

   入社から2週間、忘れもしない4月14日、2年定期預金の金利が年8・1%など、今では考えられない金利に引き上げられました。

   その日以降、既存の定期預金をいったん解約して、高い金利の定期預金に預け替えを行うお客さまが次から次に来店されました。

   まだまだ不慣れで1件の処理に時間がかかりましたが、先輩職員の指導を受けながら利息計算を行いました。この年が「うるう年」であったことから、日数計算時には注意が必要であり、それまで気に留めていなかった「うるう年」を意識するきっかけになりました。

   その後、コンピューターの導入が進み「うるう年」を気にする機会は減りましたが、平年より一日多いこの1年は、忙しさを言い訳に放置している物事を整理するなど、有効活用しなければと思っています。

  (苫小牧信用金庫主幹アドバイザー)

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