暗号資産(仮想通貨)を購入する名目で会社役員の女性から現金約4000万円をだまし取ったとして、千葉県警は29日、詐欺容疑で、バルセロナ五輪に出場した元柔道選手の丸山顕志容疑者(58)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
丸山容疑者側は2018年3~8月、10回にわたり総額約4億1500万円を女性から受け取ったとみられ、県警が実態解明を進めている。
捜査関係者によると、丸山容疑者は数人と共謀して同年、千葉県東金市に住む会社役員の女性に暗号資産「One Coin(ワンコイン)」の購入を持ち掛け、現金約4000万円をだまし取った疑いが持たれている。
丸山容疑者らは女性に「ワンコインが金融庁に登録され価値が高騰する。多額の利益を得られる」などと説明していた。実際には、交換業者が扱う正式な暗号資産として、金融庁に登録される見込みはなかったという。
丸山容疑者は1992年のバルセロナ五輪に柔道男子65キロ級代表として出場し、7位に入賞した。現役引退後は化粧品関係の会社経営などをしていた。