能登半島地震で大きな被害を受けた石川県穴水町に26日、泊まりがけでボランティア活動をするための拠点が設置された。この日は県内外から参加した約人が同町や珠洲市でボランティア活動に汗を流し、「時間をかけて作業できるのはありがたい」などの声が聞かれた。
拠点となる旧穴水町立向洋中学校の体育館や教室には1~2人用のテント計張りが並べられた。マットレスや段ボールベッドも置かれ、参加者には弁当やおにぎりが配られる。
これまでは金沢市からバスを利用して日帰りで活動していたが、遠方への移動には時間がかかるため、作業が1日3~4時間に限られていた。穴水町に拠点を置くことで、倍の8時間程度を確保できる見込みという。
珠洲市内では昼すぎから約30人が活動。被災住宅でたんすや布団を運び出すなどした。福島県会津若松市の羽金しげ子さん(54)は「遠くから来ているので時間をかけて作業できるのはうれしい。少しでも多く役に立ちたい」と語った。
受け入れ側の兼盛康寛さん(47)は避難先の金沢市から片付けに通っていたが、傾いた仏壇などは動かせないままだったという。「重い物は人手も要るので助かる」とほっとした表情を見せた。
穴水町でも小雨が降る中、約15人が崩れたブロック塀を撤去するなどした。東京都の会社員尾崎敬郎さん(52)は「1日だと(作業が)残ってしまうと思い、泊まりで来た。十分力になれると思う」と意気込んだ。
県によると、来月3日まで珠洲市と穴水町でボランティアを受け入れ、その後は輪島市や能登町への拡大も検討するという。