夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとして、事実婚の男女ら12人が姓を維持したまま結婚できることの確認や損害賠償などを国に求める訴訟を3月8日にも東京、札幌両地裁に起こすことが21日、原告側弁護団への取材で分かった。
夫婦同姓規定を巡っては、これまで同じ弁護団による訴訟が2回起こされ、いずれも最高裁で「合憲」との判断が示された。
原告は、60代夫婦と北海道、東京都、長野県に住む30~60代の5組の男女で、5組は夫婦別姓が認められないことを理由に法律上の結婚はしていない。
原告側は、民法や戸籍法は結婚した夫婦がそれぞれの姓を名乗ることを認めておらず、結婚における自由な意思決定などを保障した憲法に反すると主張している。
さらに、結婚後も働き続ける女性が増え、旧姓で築いたキャリアの重要性が増していると指摘。世論調査で選択的夫婦別姓に賛同する意見が多数を占めるなど社会的状況が変化し、夫婦別姓を認めないことの合理性は失われていると訴える方針だ。
夫婦同姓規定を合憲とした2015年12月の最高裁大法廷判決では、裁判官15人のうち5人が違憲とする意見を述べた。21年6月の決定では、15人中4人が違憲とする意見や反対意見を出した。