東京都台東区の自宅で向精神薬などを飲ませて4歳の次女を殺害したとして、両親が逮捕された事件で、父親の細谷健一容疑者(43)と母親の志保容疑者(37)が「長男は跡取り、長女はかわいい」という趣旨のやりとりをしていたことが日、捜査関係者などへの取材で分かった。
次女の美輝ちゃん=当時(4)=は日常的にネグレクト(育児放棄)を受けていたとみられ、警視庁浅草署捜査本部は健一容疑者らが3人きょうだいのうち次女だけに違う扱いをしていたとみて、動機を詳しく調べる。
捜査関係者によると、押収した携帯電話を解析したところ、「長男は跡取りで、長女はかわいい。次女はかわいくない」という趣旨の、健一、志保両容疑者が交わしたメッセージが見つかった。
携帯電話やパソコンで、向精神薬「オランザピン」や不凍液「エチレングリコール」のほか、猛毒を含むトリカブトやほかの毒物、人体への影響などを確認する検索履歴も見つかった。
健一容疑者は美輝ちゃんの死亡直前、長男(10)と長女(8)を家に置いたまま、美輝ちゃんだけを夜間に保育園に預けたり、日中に長男と長女だけを連れて東京ドームに出掛けたりしていた。
長男と長女は身なりをきれいにしていたが、美輝ちゃんだけは毎日同じ服を着ていて、排せつ物の臭いがしたり、髪の毛が汚れていたりしたという。
捜査本部は14日、自宅マンションで昨年3月12~13日ごろ、美輝ちゃんに向精神薬と不凍液を与えて殺害したとして、両容疑者を殺人容疑で逮捕した。