厳寒期、海の釣りは対象が限定される。今季は特に港のチカが不調のため、海釣りファンはやきもきしている。この際、苫小牧港・東港辺りでぽつぽつ釣果情報のある海アメマスの様子を探ってみようと週末、海岸からメタルジグでアメマスを狙うサーフジギングにトライした。
場所は市内弁天と東港一本防波堤脇の海岸。夜明けに合わせて午前7時前に安平川左岸に到着した。まずは河口付近の海岸の状況を見る。複数の入釣者がロッドを振っていた。15分ほど車内から海や釣り人を観察したが、さおは曲がらず、ぺたっとした海面を見ると意欲もそがれる。昨冬、小型アメマスが掛かった一本防波堤周辺の浜に賭けようと移動することにした。
東港は護岸に車の乗り入れはできない。盛り土の手前に車を止めて海まで歩く。持つのはさおとタックルケースのみ。首尾良く釣れた時は砂浜にランディングすればいいから、たも網は不要だ。防寒着に耐寒性能の高い樹脂素材の長靴を履いてポイントに向かった。
先行の入釣者は4組。魚影が薄いのか、入れ替わるように3組が撤収、砂浜のポイントはすぐに1人になってしまった。タックルは10フィートのルアーロッドにPE1号を巻いた4000番台のスピニングリールをセット。ショックリーダーの先に35グラムのジグを付けた。
この日は寒さが緩み、風も弱い北寄りとあって厳寒期とは思えないほど快適。それでもラインとガイドには海水のしずくがシャーベット状になって付着するため、そのつど振り落としながら釣りを続けた。
2時間ほどさおを振り、ルアーもジグ、スプーンで幾つか試したが、期待の魚信は皆無。運が良ければ海面にもじりを見ることもあるが、この日はそれもない。海鳥が何度も水中に潜るだけに、何かしらベイトはいるのかもしれないが…。
さおを振ったのは2カ月ぶり。この冬、リールを補修しラインローラーのベアリングを互換性のある市販品に交換してみた。抱えていた違和感は解消されリールの挙動は上々。ジグは、ラインできれいな放物線を宙に描き80メートルほど沖に飛んでいく。キャスティングだけでも気分は爽快だ。結局、釣果のないまま釣り場を後にしたものの、気持ち良くさおを振れてストレスを解消した気になれた。
安平川河口から弁天海岸にかけて、4輪駆動車などで海岸そばに乗り入れることのできるポイントは多いが、吹きだまりになっている所は20~30センチほど雪が積もっている。最低地上高の低い乗用車だとスタックしやすい状況だ。十分注意して入釣したい。