「輪島の底力を」。今春の第96回選抜高校野球大会に、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の日本航空石川高校が選ばれたことに対し、同県加賀市に2次避難する住民は26日、熱いエールを送った。
地震で集落が孤立し、ヘリコプターやバスを使って加賀市まで避難してきたという輪島市の藤原久枝さん(83)は、後ろ髪を引かれる思いで故郷を離れた。「みんなが打ちひしがれている。こんなときだからこそ、輪島の底力を見せてください」と球児たちに思いを託した。
2次避難所で子どもたちの遊び相手をしていた高校2年の林祐樹さん(17)は「輪島のために頑張ってほしい」と激励。野球は「小学校の時にやっただけ」と笑うが、日本航空石川には知り合いもいるといい、同世代の活躍に期待を寄せた。
輪島市の坂口茂市長は「郷土の代表として、はつらつとしたプレーで、被災者の皆さんの心に、元気と勇気と希望を伝えてくれることを期待する」とするコメントを発表した。