白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)で、アイヌ民族の伝統保存食「サッチェプ」(干しサケ)作りが行われている。職員11人が屋外の干し棚に130匹のサケをつるし、来園者の目を楽しませている。
アイヌ民族はサケを神の魚(カムイチェプ)と呼び、重要な食料としたほか、皮を靴に加工するなど余すことなく利用。寒干しは冬のコタン(村)の風物詩で、2月ごろまで続く。十分に乾燥させた後は、チセ(かやぶき家屋)の中に移し、5月ごろまでいろりの煙でいぶしてうま味を引き出す。ウポポイで実施する食文化体験プログラムに提供したり、儀式の供物として活用したりするという。
作業した職員は「作る工程から見せることで、文化が今も続いていることを紹介したい。今年は去年よりサケが大きいので味にも期待している」と話した。