―トレーナーを目指したきっかけ。
「もともとトレーニングをすることが好きで、本を購入して勉強しながら取り組んでいた。現役を引退してから会社勤めをしていたが、自分のやりたかったことがトレーナー業だったので、挑戦しようと思った。現役時代、特に最後の3年くらいは入院したりと、けがに悩まされることが多かった。アイスホッケーはけがが多いスポーツなので、けがをしないような体をつくっていくサポートをしていきたい」
―トレーニング指導で意識していること。
「ベーシックなトレーニングで筋力を向上するといったメニューももちろん取り組むが、アイスホッケーは一つの動きに対して体の全体で運動するイメージなので、必要な『体の連動性』というところに着目している。下半身と上半身の連動、体幹を鍛えるトレーニングは多く取り入れている。動いてほしい部分と、動いてほしくない部分というのが体の中にはある。選手たちのトレーニングを見て、うまく体を連動させられていないような場合は、いったんレベルを下げて、その選手に合わせながら徐々に仕上げていき、最終的に動作が直結するようにアプローチしている」
―チームから受ける刺激は。
「チームには現役時代、一緒にプレーしていた選手もいて、いい関係性を築けていると思う。試合で気持ちの入ったシュートブロックなど、体を張ったプレーを見て『負けるな』と力が入る。いいパフォーマンスをしている選手を見ていると、自分のプレーに擦り合わせたり、参考にしたりすることもあって刺激になっている」
―競技経験がトレーナー業に生きている部分はあるか。
「アイスホッケーはスポーツの中でも特殊な競技だが『このトレーニングはこういうプレーをするために重要』といった具体的な説明ができるのは、自分の強みだと思っている。いい状態で選手がゲームに臨めているとうれしい。逆にパフォーマンスがなかなか上がらない選手がいると、トレーニングメニューについて監督やスタッフと話し合ったりもする」
―トレーニングトレーナーとしての目標を。
「イーグルスはキーパーを含め、レベルの高い選手ばかり。個々がそれぞれの武器を持っていて、常にいいパフォーマンスを発揮している。トレーナーとして、そこに対するアプローチをしっかりしていかなければならないと思う。選手それぞれの得意、不得意を見極めながら、目標を達成するチームづくりに貢献していきたい」
▽プロフィル
1986年11月28日生まれ、釧路市出身。東洋大卒業後、2009年に日本製紙クレインズに入部し、16年に引退。現在はチームのトレーニングトレーナーとして選手をサポートしながら、社会人チームの釧路厚生社でプレーする。滋賀県の国体選手団にも名を連ねるほか、同県の少年、成年の育成に携わっている。趣味は自宅でお酒を飲みながらアイスホッケー観戦。