―試合の来場者数増を目指して。
「1日の目標を1500人に定めている。今年は4月から保育、高齢者施設を訪問する地域貢献活動を行っているが、選手やスタッフが地域と直接的な接点を持つことでチームを知ってもらい、会場に来てもらおうという狙いもある。苫小牧開催では取り組みの成果もあり、平均来場者数は目標を超えているが、札幌が若干厳しい。札幌は接点を持つ機会が少なく、競技の魅力で勝負しなければならないのが現状。スポーツの認知度は勝手に上がっていくものだと思うので、認知をいかに来場へつなげるかが重要」
―競技への興味、関心を広げるために。
「例えば、苫小牧の美術博物館にはアイスホッケーのコーナー、素晴らしい展示、イベント開催があるのに知らない人もいる。施設にとっても知られていないのは悩みの一つだと思うので、お互いにメリットになるようなことができればと思っている。アウェー開催時は市内の施設でパブリックビューイングなどのイベントを行ったりして、スタッフと接点をつくり『観戦に行ってみよう』と思ってもらえるよう取り組んでいる。競技経験がない立場から見ると、いいプレーをしてお客さんがついてくるというより、会場が満員になれば、いいプレーが生まれると信じている。外側からつくることができるのがスポーツだし、選手もたくさん見られた方がいいプレーができると思っている。競技への関心がある人だけで盛り上がるのではなく、競技とは無関係な人や場所に目を向け、つなげていくことが面白い」
―アイスホッケーと地域。
「苫小牧は工業都市で人口はいるのに駅前に人がいない。各地方都市が特性を模索する中、プロスポーツチームがあるまちは全国でも多くないし、レッドイーグルスを含めアイスホッケーは有益なコンテンツ。もったいないと思うし、もっと生かしていったらいいと思う。Jリーグはホームタウン活動が条件で、そこから社会連携事業に進めていた。そこは重要だと思っていて『イーグルスがあってよかった、必要だよね』と思ってもらえるチームづくりをしていく必要性を感じている」
―地域スポーツの発展について。
「試合後に真っすぐ帰宅となるのはもったいない。観戦して、市内の繁華街で試合の感想やイベントについて語りながら夕食やお酒を楽しんでもらいたい。アイスホッケー以外をどう盛り上げていくか。まち自体が元気になって初めて、地域スポーツは盛り上がっていくと思うし、その結果、地域の企業さんが応援してくれるようになると思っている」
▽プロフィル
1979年9月19日生まれ、東京都出身。おもちゃ販売店や福島、群馬のJリーグチームでの職務経験を経て2021年にレッドイーグルス北海道へ。「何でもやる」意気込みで、企画や営業、事業、試合運営を担う。趣味は映画観賞や読書で、スポーツや関連ビジネス書などを愛読。