白老町といえば、民族共生象徴空間(ウポポイ)。アイヌ文化の保存・研究、ならびに発信する役割を担う国立アイヌ民族博物館があり、ここで働く是澤櫻子さんは、20代の若い研究者。出身は関東で、3年前に研究員として白老へ移住してきました。大学でシベリアの先住民族の研究をされていたことから、北国の冬が好き!とよく話してくれます。
櫻子さんとは今年の夏ごろ、私が白老町内で運営している本屋「またたび文庫」で知り合いました。ご自身が所属している研究学会主催のイベントを、ぜひ一緒にやりたい!と話してくれました。内容は、白老とシベリアの漁業を比較しつつ、知見を深めるという趣旨のトークと展示。櫻子さんから企画書を受け取り、打ち合わせなどを進めていました。ところが9月ごろ、会場設営を依頼した恵庭市の大工さんに、「この内容じゃ堅過ぎ、町の人は来づらいと思うよ」と厳しめの助言を頂きました。
ショックを受けた私たちの奔走が始まりました。櫻子さんは、町内の食堂「グランマ」さんへイベント内容の相談をしに行き、漁業組合さんにも協力を仰ぐなど、たくさん足を動かしてくださいました。私は会場のレイアウトやタイムテーブル作り、告知関連などを主に担当させていただきました。
イベント当日、トークは20席全て埋まり、同時開催のワークショップや写真展も好評でした。新しい挑戦に臆せず挑む櫻子さんの頼もしい姿に、とても刺激を受けました。
(またたび文庫店主・白老)