失い、学び、得たこと(上) 西川(にしかわ)良雄(よしお)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年12月7日
失い、学び、得たこと(上)
西川(にしかわ)良雄(よしお)

  私は毎年、一般健康診断と特定健康診断を受診していましたが、今から12年前、59歳の時に消化器などの検査で胃の上部に曇りがあると言われました。次の年、胃カメラ検査を受けると、胃腫瘍、食道腫瘍の疑いがあるという所見でした。

   また、肝機能障害の疑いなどもあるとされ、数多くの項目で要治療、要精密検査の指導を受けました。それでも病院に行かずにいると、61歳の4月の一般健診は前年度に再検査を受けていなかったので拒否されました。観念して精密検査を受けたところ、食道がんと診断され、治療に専念することとなりました。

   悩んだことは、このままであと何年生きられるのか、手術を受けてどのくらいの確率で治癒するのか、ほかに治療の方法は無いのかなど。心の中で葛藤しましたが、対応は早い方が良いとのことだったので、手術を受けて数カ月の闘病生活を送ることとなりました。

   そうなって初めて気が付いたことが多々ありました。「失ったもの」「学んだこと」「得たこと」などです。失ったものは、切除による食道の機能です。消化器系の一部分とはいえ、100%あったものが数%になったかもしれないのです。そう思うくらい、外科手術の影響は甚大で、生活様式が大きく変化しました。

  (電気工事西川組社長・苫小牧)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。