宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、9月にH2Aロケットで打ち上げた小型月面探査機「SLIM(スリム)」について、来年1月20日未明に月面に着陸させると発表した。成功すれば日本初で、世界では旧ソ連、米国、中国と今年8月に成功したインドに続き5カ国目となる。
SLIMは高さ約2・4メートル、重さ約200キロ(燃料を除く)の小型探査機。月の表側で、赤道近くの「神酒(みき)の海」にある小さなクレーター付近への着陸を目指す。
JAXAによると、9月7日に鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた後、月に向かう軌道を順調に飛行。12月25日に月を周回する楕円(だえん)軌道に投入された後、徐々に軌道を修正する。来年1月20日午前0時ごろから、最終の垂直降下を開始し、同0時20分ごろに着陸する。
これまでの月着陸機は、目標地点に数キロ~十数キロの誤差があったが、SLIMは100メートル以内のピンポイント着陸を狙う。取得データは、人類の月面再着陸を目指す米国主導の「アルテミス計画」でも活用される見通しだ。