岐阜県森林研究所(同県美濃市)と森林総合研究所(茨城県つくば市)は5日までに、高級食材の黒トリュフについて、国内で初めて試験的な人工栽培に成功したと発表した。白トリュフの一種については昨年成功しており、栽培技術が確立できれば、国産トリュフの安定供給につながると期待される。
トリュフは世界三大珍味とされる香り高いキノコで、樹木の根に共生して地中で育つ「菌根菌」に属している。黒トリュフは欧州で人工栽培が行われているが、技術の確立していない日本で流通するトリュフは全て輸入品という。
人工栽培に成功したのは、国内に自生する「アジアクロセイヨウショウロ」。岐阜県研究所が2016年4~7月に胞子をコナラの苗木の根に付けて育てた結果、今年10月に2個の黒トリュフが生えたという。
いずれも約4センチ程度の大きさで、計約50グラムあった。県研究所の水谷和人主任専門研究員は「より短期間で安定的に栽培できる技術を確立したい」と話している。