名古屋外国語大学の亀山郁夫学長は11月29日、白老町コミュニティセンターで「人生百年の教養」と題して講演した。町民ら約70人が耳を傾け、長寿社会の生き方について考えた。
名古屋外語大、町、町教育委員会が、連携協定を締結した記念行事の位置付けで共催した。
亀山学長は1949年宇都宮市生まれ。専門はロシア文化・ロシア文学で、今年1月にドストエフスキー五大長編の翻訳を単独で完成させた。2007年9月から国立大学法人東京外国語大学学長。13年4月から現職。
講演では「教養は、誰にでも来る老いの準備として必要。また人間の幸福はエモーショナルに生きることだ」とし、感情豊かに教養を身に付ける方法として音楽や読書、外国語を学ぶことなどを挙げ「共感する力を養おう」と呼び掛けた。
一方でルーマニアの作家エミール・シオランの「怠惰礼賛」を引用し「老いを乗り越えるために忘れることを過度に恐れてはいけない」とも述べ、講演の途中でバッハの名曲を鑑賞する時間を設けるなどユニークな講演を展開した。