京都アニメーション第1スタジオが2019年に放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第18回公判が29日、京都地裁であり、被害者参加した遺族が意見陳述した。亡くなった寺脇(池田)晶子さん=当時(44)=の夫は「子供を残して死ななあかんかった無念は軽いものじゃない。(息子は)これからずっと母親を殺された負い目、悲しさに耐えて生きていかなければならない」と言葉を詰まらせながら話した。
夫は「子供が納得できる判決を強く望む。自分の罪に向き合い、本気で手を合わせて反省してほしい」と訴えた。
栗木亜美さん=同(30)=の母親は、「『娘を返して』と叫びたい気持ちでいっぱい。被告人が死刑になっても憎しみや恨みが収まることはない」と声を震わせた。
宇田淳一さん=同(34)=の妻は「娘は当時1歳4カ月でまだしゃべり始めておらず、(夫は)『お父さん』と呼んでもらうことを楽しみにしていた。放火というひきょうな手段を選んだのは被告人自身で、絶対に許すことはできない」と述べた。
大村勇貴さん=同(23)=の母親は「(息子は)私の、家族の宝だった。この事件で36人が死んだだけではない。みんなの心が死んだ」と話した。
次回30日以降も遺族や被害者らが意見陳述した後、改めて被告人質問を行った上で、12月7日に結審する予定。