宗教団体「エホバの証人」の元2世信者でつくる任意団体「JW児童虐待被害アーカイブ」は28日、教団内での性被害に関する調査結果を公表した。信者からの性暴力のほか、性的な表現を含む出版物を見せられたり、体験の告白を強要されたりする被害の申告が159人から寄せられたとした。
調査は7月、元信者らを対象にインターネットを通じて実施された。信者から性暴力があったか▽年齢に見合わない性的な表現を含んだ出版物を見せられたか▽幹部らから自身の性に関する経験などを話すように強制されたか―の3項目を尋ね、159人から被害があったとの回答を得た。
性暴力を受けたとしたのは37人で、うち35人は未成年で被害に遭ったとした。内訳は「服の上や直接身体を触られた」(24件)、「性的な言葉を掛けられた」(14件)、「下着姿や裸を見られた・撮影された」(11件)などがあった。
教団主催の集会などで性的表現を含む出版物を見せられたと回答したのは139人で、うち49人は6歳までに見聞きしていた。厚生労働省の宗教虐待ガイドラインは、年齢に見合わない性的表現を含む資料を見せたり、口頭で伝えたりすることは性的虐待に当たるとしている。
教団幹部から性体験を話すよう強要されたとしたのは42人。当時未成年だったのはうち15人で、保護者の同席下で強要されたケースもあったという。
同アーカイブは28日、宗教団体側が原資を負担し、性的虐待被害者に金銭補償する制度などを求め、こども家庭庁に要望書を提出した。