3年前から私は仲間と2人で認知症カフェを苫小牧市内で運営している。こう言うと、「カフェはどこにあるの?」と聞かれることがあるのだが、どこかに店舗を構えて経営しているわけではない。月に一度、お店や公共施設を会場に借りて、集いの場をつくっている。それが、私たちのカフェである。
認知症カフェとは、認知症当事者や家族、関わる人たちが集う場所として自治体などが設置している。苫小牧市では、参加する方たちが「ほっ」とできる場になるようにと、ほっとカフェという愛称が付けられ、市内に11カ所ある。認知症カフェと聞くと、認知症に今関係の無い人は参加できないと思われがちであるが、そんなことは全くない。誰でも参加することができる。以前介護をしていた経験のある方は、経験談が今介護している人の助けになるかもしれないし、今は認知症や介護に関わっていないが、今から知っておきたいという方にも参考になるはずだ。
ところで、認知症になった時に一番先に気付くのは誰だと思うだろうか?(1)家族や周りの人(2)医療福祉職(3)本人。この問いに正解する人は案外少ない。認知症になった本人は何も分からないという偏見を持っている方に、いまだに時折お会いするが、失敗や物忘れが増え、これまでの自分と違うな?と最初に気付くのは認知症当事者だ。つまり、問いの答えは(3)本人である。これを知るだけでも、見方が少し変わるのではないだろうか。
自分のため、周りの人のため、地域の人のため、認知症カフェに足を運んでみていただけるとうれしい。
(コミュニティナース・苫小牧)