日本大学アメリカンフットボール部員による違法薬物事件への対応を巡り、大学理事会から辞任を勧告された酒井健夫学長と沢田康広副学長が、勧告を受け入れる意向を周囲に伝えていることが26日、関係者への取材で分かった。
22日の臨時理事会で、沢田氏は即時辞任、酒井氏は年度末での辞任を求める勧告がなされた。強制力はないが、2人には27日までに回答するよう求めていた。林真理子理事長は50%の減給処分とされ、既に受け入れる意向を示したという。
関係者によると、酒井氏らは正常な大学運営と学生が有意義な大学生活を送るために、これ以上の混乱は避けるべきだと判断したという。
先月公表された第三者委員会の報告書は、沢田氏がアメフト部の寮で植物片を発見してから警察に連絡するまでの「空白の12日間」について、「法人の信用を著しく失墜させた最大の原因」と指摘。酒井氏と林氏についても、役員規定に反して理事会への報告義務を果たさなかったなどとして、「ガバナンス(組織統治)が機能不全に陥っていた」と結論付けた。
日大は、第三者委の報告書を受け、新たに改善計画の策定などに向けた検討会議(議長・久保利英明弁護士)を16日に設置。今月中に文部科学省に報告する予定。