【エルサレム時事】パレスチナのイスラム組織ハマスは24日、イスラエルとの合意に基づき、パレスチナ自治区ガザに連行したイスラエル人の人質のうち13人を解放した。イスラエル側も同日、国内で収監していたパレスチナ人39人を釈放した。いずれも女性と子供。イスラエルとハマスはこれに先立ち、同日午前7時(日本時間午後2時)からガザでの4日間の戦闘休止に入った。
ハマスはイスラエル人とは別に、人質にしていたタイ人人とフィリピン人1人も引き渡した。イランの仲介があったとみられる。
イスラエル人の人質はガザ南部のラファ検問所からエジプトに抜け、その後、イスラエルに到着。検査や治療を受けるため各地の病院に移り、一部が家族と再会した。イスラエル首相府が公表した解放された人質のリストには、2~9歳の子供4人と70歳以上の女性6人が含まれている。
ハマスがガザに連れ去った人質は約240人。合意では、ハマス側が女性と子供計50人を解放し、イスラエル側はパレスチナ人の女性と子供計150人を釈放する。今回はその第1陣で、戦闘休止期間中は解放が続く見通しだ。
イスラエルのネタニヤフ首相はビデオ演説で、人質の帰還を報告した上で、全員を助け出すことが「戦争の目的の一つだ」と説明。達成に向け「全力で取り組む」と強調した。イスラエル軍報道官も「引き続き戦争の次の段階に向けて準備を続ける」と表明した。軍は戦闘休止前、ガザ北部から南部に地上作戦を拡大する方針を示しており、休止期間後に実行に移す可能性もある。
ガザでは、戦闘休止後もイスラエル軍の銃撃で複数のパレスチナ人が死傷したと報じられている。ただ、大きな衝突には発展していない。イスラエル政府は24日、合意に基づき、支援物資を積んだトラック200台がガザに入ったと発表。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、燃料約13万リットルが運び込まれたと明かした。