【エルサレム時事】イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止が、24日午前7時(日本時間同日午後2時)に始まる見通しとなった。カタール外務省が23日、発表した。期間は4日間。ハマスがパレスチナ自治区ガザに拉致した人質約240人のうち女性や子供計50人が解放される予定で、同日午後4時(同11時)にまず13人の引き渡しが始まるという。また、休止期間の延長を視野に、ハマスが追加の人質解放を検討すると説明した。
10月7日にハマスがイスラエルを急襲して以降、激しい交戦が続いている。休止が実現すれば、初めてまとまった期間、戦闘がやむことになる。期間中は燃料を含む支援物資のガザ搬入が拡大され、著しく悪化した現地の人道状況の改善が期待されている。
ハマスは声明で、他のパレスチナ勢力を含む「全ての軍事行動が停止される」と述べ、戦闘休止を履行する意思を表明。イスラエルが国内で収監するパレスチナ人の女性や子供について、ハマスが解放する3倍の人数が釈放されると説明した。イスラエル側も、解放される人質のリストを受け取ったと発表した。
休止期間もイスラエル軍はガザ地区内にとどまるとされる。報道によると、ガラント国防相は23日、部隊を訪問し「短い休息の後、激しい戦闘が続く」と指摘。少なくとも2カ月間は交戦が継続するとの見通しを示した。
イスラエル軍は23日もガザへの攻撃を続けた。パレスチナ通信は、ガザ北部ジャバリヤの学校や病院がイスラエル軍の攻撃に遭ったと報道。学校で少なくとも27人が死亡し、病院では発電機が破壊されたという。
イスラエル軍は、ジャバリヤ郊外での活動で、モスク(イスラム礼拝所)内部などからハマスが利用する地下トンネルへの入り口を発見したと発表。ガザ南部ハンユニスでハマスの司令官を殺害したとも明らかにした。