宗教団体「エホバの証人」の信者による子どもへの体罰や輸血拒否を巡り、「エホバの証人問題支援弁護団」は20日、信者の親を持つ宗教2世の元信者らを対象とした調査結果を公表した。9割の人がむち打ちを受けたとし、輸血拒否の意思表示カードも8割が持っていたと答えた。
調査は5~6月、インターネットを通じて行い、和歌山を除く46都道府県の581人から回答を得た。うち18歳未満で教団の活動に関わるようになったと答えた560人分を分析した。
輸血拒否カードは81%の451人が所持していたと答えた。所持した時期は1980年代以降で、「親から言われていたから」「教理を信じていたから」などが挙がった。
むち打ちの被害経験が「ある」とした人は、92%の514人に上った。うち半数近い241人は「生まれて間もなく(3歳ごろ)」打たれるようになったとした。
聞き取り調査の内容も公表された。元信者は10歳だった13年、心臓疾患で医師に手術を勧められたが、両親が教義を理由に「輸血・成分輸血はできない」と拒否。8年間、手術を受けられなかったほか、両親からは「医師に輸血拒否を明言しなかった」と、むち打ちされたという。
調査した弁護団の田畑淳弁護士は記者会見で、「児童虐待は過去の問題ではなく現在も続いている」と指摘した。