【ロンドン時事】アイヌ文化の「今」に焦点を当てた展覧会が、ロンドンにある日本政府の情報発信拠点「ジャパン・ハウス」で16日に始まった。「アイヌ文化が今日どのように息づいているかを、肌で感じられる形で紹介する」(サイモン・ライト企画局長)のが狙い。来年4月日まで開催される。
展覧会は北海道平取町との「共働企画」。言語や独特の食、歌、踊りなどを収めた映像や、アイヌ人口が多い同町二風谷で文化継承活動を行っている人々のインタビューを放映。刺しゅうが施された着物や工芸品も展示し、アイヌ文化の現在の姿を多角的に紹介している。
開幕に合わせロンドンを訪れている平取町の遠藤桂一町長は、「自然と一体となるアイヌ文化の精神性のすばらしさを知ってほしい」と強調。平取アイヌ文化保存会の木村弘美事務局長も「私たちの奥底にあるものとともに、今の暮らしが展示されている」と述べ、アイヌへの関心の高まりに期待を示した。