自民党の高木毅国対委員長は8日、立憲民主党の安住淳国対委員長と国会内で会談し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者らの被害救済強化のため「何らかの法案」を今国会に提出すると伝えた。日本司法支援センター(法テラス)による訴訟支援拡充などを検討している。
立民と日本維新の会は教団の財産保全を可能にする法案を既にそれぞれ衆院に提出。与党内では法整備に慎重論が強かったが、教団への世論の批判の高まりを踏まえ、踏み込んだ対応が必要と判断したとみられる。ただ、立民などが主張する財産保全の法制化には依然として否定的な声が強く、与野党で接点が見いだせるかは不透明だ。
高木氏は会談で、公明党とのプロジェクトチームで今月中旬に被害救済策を取りまとめることを説明し、「法案の提出も予定している」と伝達。与党案提出を受けて協議に入ることを申し合わせた。この後、法案の内容について記者団に「具体的にはまさにこれからだ。しっかり対応できるような実効性のあるものを出す」と述べた。
安住氏は記者団に、最大100億円を国に供託するとした教団の発表に触れ、「墓穴を掘った。自公が後ろ向きで済まなくなる状況をつくったのではないか」と指摘。「(与党案が)直接的な財産保全か、外堀を埋める程度か分からないが、ちゃんと議論する」と語った。