新型コロナウイルスのワクチン接種をする、しない、という決断は、その人が自分の体調や体質などを考え抜いて一番良いと思って出した答えです。なので、おととしの11月、「私はどんな選択も尊重したいです」と意思表示する缶バッジを作る活動をしました。名前はワクチン、チョイス(選択)、コンシダレーション(思いやり)の頭文字から「#ワクチョコ」としました。
配布には多くの方から賛同をいただき、苫小牧市の子ども食堂や店舗、市民活動センター、市役所などで缶バッジを置いてもらうことができました。最初に作った1000個はすぐに無くなり、再発注をして計2000個を作りました。
接種しない、できないことで肩身の狭い思いをされている方から、この活動に勇気をもらえたという感謝のメッセージをたくさんいただきました。
この数年、感染症や戦争といった大変な出来事が立て続けに起きています。何かが起きると、不安になりますし、みんなと同じでいることに安心します。しかし、ここぞという時に落ち着いて自分の意見を持つことは大事だと思っています。
例えば手の殺菌消毒。店舗の入り口などで多くの方がされているのを目にしますが、これを大変嫌がる方もいます。理由を聞くと、手を保護してくれている「常在菌」のバリアーが過剰な消毒で破壊され、逆にウイルス感染の原因にもなるからとのこと。
どんな情報にも無防備にならず、偏らず、両方の意見を聞いて判断することが求められる時代になったと感じています。
(いぶり勧学館館長・苫小牧)