シュリンク

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年9月19日
シュリンク

  テレビドラマはあまり見ない。連続ものは苦手だ。なのでたまに見たいものがある時は、番組名で予約録画する。けれどやっぱり見ないので次第にたまる。いつか見るからとディスクに落とすが、結局見るのはまれ。われながらあきれる。

   そんなコラム子が最近、視聴したのがNHKの「Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ」。このほど3週連続で放送された。漫画誌の作品をドラマ化したもので、同局の番組紹介で偶然知り3話とも本放送で見た。生きづらさにつながる病や感情に苦しむ人に寄り添うように描かれ、救われた思いがした。精神医療のイメージのハードルが下がる。

   番組制作に関して少し調べてみると、学校の夏休み明けのタイミングで子どもの自殺件数が増えることから、この時期の放送を目指したそうだ。ドラマで取り上げられたエピソードはパニック症、双極症、パーソナリティ症。当事者が疾患を理解しどう向き合うか、家族はどう支え対応するのかを分かりやすく描いていた。距離感を縮めてくれた気がする。

   自分自身、心の安定を欠いて苦しい時期を経験したことがある。劇中のヨワイの言葉に何度も共感した。ドラマの続編が作られることを期待しながら、今度は原作の漫画を読んでみたいと思う。(司)

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