高齢の要介護者が背骨(脊椎)を圧迫骨折すると、介護度が上昇する割合が高まることが分かったと、群馬大大学院などの研究グループが発表した。
脊椎圧迫骨折の主な原因は、加齢に伴う骨粗しょう症。研究グループは、2014年6月~19年2月に栃木県で脊椎圧迫骨折と診断された高齢患者1万8392人(平均年齢80歳、女性76%、要介護者19.7%)のデータを用い、骨折後の要介護度の変化などを検討した。
骨折後1年以内に新たに要介護認定を受けた、または介護度が上昇したのは1510人だった。解析の結果、骨折前に自立していた患者が骨折後に要介護認定される割合は3.0%だったのに対し、骨折前から要介護だった患者の要介護度が上昇する割合は30.2%と約10倍高かった。
研究グループは「既に介護が必要な人は、骨粗しょう症の治療を行うなど圧迫骨折を予防することが重要」としている。
(メディカルトリビューン=時事)