白老町と町教育委員会は1、2両日、道内の教職員を対象とした講座「子ども達に伝えたいアイヌ文化」をポロト自然休養林(町白老)やしらおいイオル事務所チキサニ(町末広町)などで開いた。全4講座に延べ38人が参加し、アイヌ民族の手仕事や食などの伝統文化に触れた。
チキサニを管理運営する白老モシリ主管。授業での活用や児童生徒への日ごろの指導に生かしてもらうため、体験を重視した内容で毎年実施している。
初日の「植物から学ぶアイヌ文化―野外学習と葉を使った教材の提案」では、平取町や岩見沢市などから教員10人が参加。白老モシリの学芸員、森洋輔さん(41)が講師を務め、ポロト湖上流部に位置するイオルの森でエゾヤマザクラ(アイヌ語でカリンパニ)やナナカマド(同キキンニ)、アオダモ(同イワニ)など12種類の植物の葉を採取した。
その後、ポロト湖ビジターセンターに戻り、植物の葉からアイヌ語名を当てる「かるた」作りを楽しんだ。森さんはイワニがたいまつとして使われたことなど、アイヌ民族が植物をどのように活用したかも伝え、楽しみながら学べる教材になると提案した。
平取町から参加した小学校教諭の山下日菜子さん(26)は「葉からアイヌ語名や役割を学ぶアイデアを生かし、子どもたちが自主的に学んでいくための指導につなげたい」と話した。