元気な人たち 高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年7月11日
元気な人たち
高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

  みらいづくりハマ遊の友が苫小牧市住吉町で運営しているコミュニティーサロン「ハマ遊の友」には、70代、80代の元気なお年寄りが数人遊びに来ている。

   皆さん、とてもすてきな人生を過ごしてきた方々ばかりだ。上品な奥さま風の独身女性、一見若く見える知的な男性、小説を書くご婦人、真面目なおひげの紳士、ファッショナブルな明るい女性、粋な職人肌の男性と色とりどりで個性豊かである。毎日、楽しく語り合う。

   でもいつかは乗り越えなければならない、つらい日が必ず来る。パートナーを亡くすという悲しい日に、皆、たどり着く。それがどんなに悲しいか、他の人には分からないかもしれないが、人によっては精神疾患、引きこもり、自死となりかねないほど大きなダメージを受ける。孤立、孤独死などのニュースが頻繁に報道されると、背景には大切な人を失った喪失感や虚無感があったのでは、という思いが胸をよぎる。

   そのため、うちのサロンは「あの人、近ごろ来ないね」と独りになって立ち止まってしまった人に気付く場所でありたいと思っている。サロンに来られるお年寄りの生活状況はそれぞれに違う。健康状態、生活環境はいつ崩れるか分からない。それをどんなに元気なお年寄りも皆、無意識に覚悟して生きている。頭の隅でしっかりと受け止めている。だから、それをわざわざ考えないし、残っている時間を丁寧に楽しむ。あと少し皆と一緒にいて、元気にしゃべり、笑うことを大切にしている。誰かが「死ぬ気がしない」と言っていた。楽しむ意欲満々である。

   私もこの元気な人たちの仲間入りをする年齢だ。人生100年時代。これからだ。

  (みらいづくりハマ遊の友代表・苫小牧)

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