苫小牧市は、3月末で終了した新型コロナウイルスワクチン無料接種の接種状況をまとめた。市内で初回接種(1、2回目)を終えた人は12万7495人、3月末人口に対する接種率は76・8%だった。一方、昨年9月に始めた「2023年秋接種」は4万4295人、接種率は26・7%にとどまった。余剰ワクチン約1万6000回分は廃棄した。
接種は生後6カ月以上が対象で、4歳までの乳幼児初回接種は3回。65歳以上など重症化リスクがある人は、今年3月末までにワクチンを最大7回接種できた。
初回接種は全国79・5%、全道80・6%にとどかなかった。ただ、このうち65歳以上は4万4742人が初回接種を終え、65歳以上人口に対する接種率は93・4%だった。
また、秋接種は全国22・7%を上回ったが、全道27・1%を下回った。うち65歳以上は2万9452人が接種し、65歳以上人口に対する接種率は61・9%。全国53・7%、全道56・1%を上回った。
医療従事者を除く一般市民向けの無料ワクチン接種は、2021年5月にスタート。当初は各医療機関で個別接種、市民会館(後に市内ホテル)で集団接種を展開した。
さらに同7月から、市医師会と独自の職域接種に取り組むなど、コロナ感染拡大下で普及啓発に力を入れた。コロナ5類移行などを踏まえ、23年度は個別接種のみで行った。
市健康子ども部の吉田陽輔次長は「予防接種が始まり丸3年。医療機関や医師会などの協力で、早い時期から体制を整備でき、乗り切ることができた」と感謝した。
コロナワクチン接種は4月以降、65歳以上や基礎疾患がある60~64歳などは定期接種に、それ以外の希望者は任意接種で、いずれも原則有料に変わった。