熊本県水俣市で1日に開かれた、水俣病の被害者団体と伊藤信太郎環境相らとの懇談の場で、同省が団体側の発言を遮る対応があった。同省は7日、不適切だったと認め、担当者が現地訪問して謝罪する意向を示した。
懇談は水俣病犠牲者慰霊式の後、同省のほか患者らでつくる8団体などが参加。しかし、団体側の代表2人の意見陳述が3分を超えたとして、同省職員がマイクの音量をゼロにして発言を妨げた。同省によると、1人3分の持ち時間を懇談冒頭に周知する予定だったが、失念していたという。
同省特殊疾病対策室の担当者は7日、省内で記者団の取材に応じ、伊藤氏から同日、発言者に直接謝罪するよう指示があったと説明。「不適切で不信感を抱かせる対応だった。申し訳なく思っている」と陳謝した。
一方、被害者団体などで構成する「水俣病被害者・支援者連絡会」(同市)は「苦しみ続ける被害者たちの言論を封殺する許されざる暴挙」と抗議。8日にも現地で記者会見し、伊藤氏による謝罪と、懇談の再設定を求める要望書を提出する予定だ。